僕の中学生活3年間の片想い、卒業後の高校生活で再び彼女と再会…
中学校3年間の片想い、その末に
僕は中学1年生の頃転校で来た華ちゃん(仮)に一目惚れをした。
もちろん学生の一目惚れなんて何処にでもあるしそんなものただの一瞬に過ぎない。
そう思う人も少なくは無いと思う。
でも僕が感じたのはそのような括りで表せる事の出来ない衝撃だった。
華ちゃんは持ち前の明るさやトーク力ですぐにクラスに馴染んだ。
まるで高嶺の花のような華ちゃんに恋をする人間は少なくはなかった。
挨拶や少し世間話をするようになり仲良くなり始めたところにさらにチャンスが訪れた。
それがそう
【球技大会】
毎年恒例行事となっていた球技大会。
今回の種目はバスケットボールだった。
僕は小学生の低学年からクラブチームに入っていてそれなりに自信があった。
(ここでいい所を見せよう)
そう思っていた。
球技大会が始まり、僕たちのチームは順調に勝ち上がり、決勝戦まで勝ち上がった。
決勝戦は2個上の3年生のバスケ部で結成されたゆえに、強豪だった。
でも僕は立ち向かった。
なぜなら華ちゃんにいい所を見せたかったから。
その一心で必死に食らいつき、結果としては負けてしまったが、3Pやサポートも完璧と言える程のプレイをできて満足していた。
球技大会も終わり、翌日の通常登校の日何気なく登校すると僕の席に華ちゃんがいた。
「お疲れ様!めちゃくちゃかっこよかったよ!あんなバスケ上手いんだね!」
お世辞でも嬉しかった。
憧れ、自分の好きな人に朝から褒められるなんて夢のようだった。
少し調子に乗った僕は
(もしかして 華ちゃん僕に気があるんじゃないか)
そんな勝手な憶測を立てながら日々を過ごした。
華ちゃんに勇気を出して告白
月日は経ち、1年の終わり頃僕はクラス替えで離れてしまう前に自分の気持ちを打ち明けよう。
そう思い放課後彼女を呼び出した。
そして誰もいない校舎裏、夕日をバックに告白をした。
でも
「ごめんね、実は彼氏いるんだよね私。」
転校当初の頃なら
(まぁそうだよな)
そう終わるはずが、今だからこそダメージが大きかった。
もちろん球技大会で褒められて以降何もなかった訳では無い。
一緒に勉強したり、時にはお祭りも一緒に行ったりもした。
そんな仲だったからこそのダメージがやはり大きかった。
彼氏は僕の知っている人だった。
それは球技大会の時、決勝戦で当たった3年生のバスケ部エースの蓮くん(仮)だった。
同じバスケ部だったからこそ、これからの対応にも困ったし自分の方がいい所を見せれたと思えば思う度に悔しかった。
でも、強引に彼女にしようとしたところで彼女を傷つけるのは間違いなかった。
だから
【そっか。お幸せに!】
そう言うしかなかった。
横山建の『真・好意5段階別恋愛攻略』マスター塾 af-3650
友達として過ごした中学生活
1年が終わり2.3年とクラスが一緒になることは無かったが、連絡は取っていたりたまに遊んだりと仲はむしろ良好になっていってた。
もちろん僕はずっと好きだった。
引きずるのは良くないとわかっていたが初恋だったからこそ気持ちに諦めが付かなかった。
「まだ好きなの?華のこと。」
「華と彼氏は今のところ円満なんだから、お前に可能性ないぞ?。」
周りにそう言われても諦めれなかった。
そんな卒業が近づいたある日、家の電話が鳴り響き出ると、声の主は華ちゃんの母親だった。
「華が帰ってこない」
それを聞いた途端、僕は受話器を投げ捨て家を出た。
そんな漫画みたいな展開あるのかそう思ったが今はそんなことより華が無事かどうかそれが一番だった。
色々な人の協力もあり手当り次第探すことが出来たがどこにもいなかった。
諦めかけて最後の希望をかけ学校の周りを探してみた。
するとそこに華の姿が。
しかも華がいた場所は僕が初めて告白した校舎裏だった。
「風邪引いたら大変やで?」
その日は大雨で余計に探しにくかった。
「遊びだった。」
そう。華の彼氏である蓮くんはただの遊び目的、金目当てだった。
華の両親がとてもお金持ちでかなり裕福な暮らしをしているのは転校した時点で知られていた。
蓮くんはその頃から付き合って金をもらうその魂胆で華に近づいた。
顔も良い、スタイルも良い、優しい、運動出来る。
中学生の女の子からしたら、まさに理想とも言える存在。
それは振るわけが無い。
でも蓮くんはそれをわかって華に告白した。
最初から好きという感情は彼にはなかった。
華は泣きながら雨の中泣いていた。
僕の中には怒りと守りたいという感情が入り交じっていた。
「おうちに帰ろう。話はゆっくりでいいから聞かせて。」
そう言い帰ろうとすると、華が急に
「(自分)と付き合っていたら幸せだったのかな」
頭が真っ白になった。
でも今はそれよりも華の体が心配だった。
だから
「わからない。」
と濁してしまった。
その日は家に無事に帰したが
それから華は学校に来なくなった。
中学校を卒業、そして高校生になり奇跡の再会
そのまま迎えてしまった中学校の卒業式。
心残りしかない状態で自分も卒業を迎えたくなかったが、華のことを考えると無理やり来させるなんてことは出来なかった。
卒業式が終わりに近づき、みんなが写真を撮ったり先生と話したりしていた。
僕も周りと話しながら、頭の片隅では華のことがずっとあった。
でも彼女は来なかった。
そのまま高校に進学し、華がどうなっているのかわからないまま日々を過ごしていた。
高校生に上がり少しの日々が過ぎたある日
クラスの担任が
「転校生が来てるので紹介!」
と言い、まさかな…
とは思いつつドアが開き その奥を見るとそこに立っていたのは。
そのまさか。
華だった。
「華です。よろしくお願いします」
あの時と同じ感情が湧き上がってきた。
しかも席は僕の隣、運命とはまさにこの事なのか…
そう思うしか無かった。
隣の席に座り華が一言
「今日からまたよろしくね?」
嬉しかった。
あの時よりも何倍も。
その日の放課後、彼女に呼び出され僕は待ち合わせの場所に行くと彼女が重たげな表情をして立っていた。
「そんな重い顔してどうしたの?」
そう聞くと華は
「最初に言っておく、(自分)とは付き合えない大好きだけど」
間髪入れずに彼女は続ける。
「(自分)と付き合ってもし仮に別れるってなった時に離れるのが嫌だ。 ずっとそばで私を支えて欲しい。」
彼女は僕にそう言った。
複雑だった。
付き合いたいと思う自分と華の言う通りにしたい自分。
華の言っていることは間違っていない。
何があるかわからないのが人生。
だから僕は
「ずっとそばで支えたい」
そう言った。
そう言うと彼女は笑顔で
「わがままだけど許してね?」
もう僕の中では彼女は本当に最高の人だ。
そう思った。
実は華、元々は僕と同じ高校を希望していた訳ではなかった。
もっと頭の良い高校に行って、もっと賢い高校生活を送ると勝手に思っていた。
でも彼女は自分の今後より僕といることを優先したらしい。
あの頃と同じ様に少し調子に乗ってしまった。
「俺がいないとダメなんだな」
前よりも可愛くなっていて大人びた彼女にそんなことを言われたら誰でも調子に乗ってしまうものだろう。
でも、告白はしない。
彼女の兄のような存在として支えていこう。
そう心に決めて、日々を過ごすことにした。
華と過ごした高校生活、そして社会人になった今
華は押しに弱いタイプだ。
少しでも押されるとどうしても断れなくなってしまって結果悪い男に引っかかるなんてことがこの高校3年間で多々あった。
「好きでもないやつの告白をOKするんじゃないよ!笑」
そう言うと彼女は
「でもそれで相手の男子が傷ついて不登校になったら」
と心配性の一言。
優しいのはわかるが、悪い男はそうゆう所を逃さずに見る。
だから悪い男が近づいた時には必ず僕が仲裁に入っていた。
そんなこんなで高校3年間も無事に過ごすことができた。
僕は就職、彼女は大学に進学。
お互い別々になることになった。
後日談だが22歳になった今でも彼女との関係は良好です。
お互い恋愛感情というより親友という関係だがまだ頭の片隅にあの頃の思い出があることは誰にも打ち明けていない。
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