バイトで入った喫茶店の男前店長と略奪愛から結婚までした話

 

 

はじまりは片思い

 

好きになった人に彼氏彼女がいることは、案外よくあることです。
結ばれたと思っても、略奪愛はいつか懺悔の気持ちに苛まれることもあります。

 

それでも好きな気持ちだけを信じ、結婚にまで至ったお話をさせていただこうと思います。
短大の新卒で入った会社を3年で辞めた私は、在来線の高架下にある喫茶店でアルバイトを始めました。

 

若い子よりは落ち着いた年代のお客様が多くいらっしゃるようなお店です。
コーヒーを淹れる姿がサマになる、男前の店長が面接をしてくれました。

 

イケメンというよりは、そう、男前です。
店長はいつも素っ気なくて、仕事は周りの先輩が教えてくれました。

 

あまり目も合わせてくれないし、どうして雇ってくれたんだろうと不思議に思ったくらいです。
とても美人の彼女がいるらしいと噂に聞きました。

 

どおりで私なんかには興味を持たないよね、と自分を慰めます。

 

 

少し仕事を覚えて会計のレジにも入るようになると、電話を取る機会があります。

 

「H店長はいますか。」

 

この人だと、直感的にわかりました。
か細くて震えるような声。

 

店長は、どうやら自分とは正反対の女性が好みのようです。
クリスマスを前にホールスタッフの女の子が一人、緊急入院をしてしまいました。

 

私が頑張ってもベテランの彼女の代わりにはならないのですが、できる限りシフトを多めに入れてもらうよう協力を申し出ました。
さすがにこの時ばかりは喜んでくれて、はじめて店長の役に立てると思いうれしかったものです。

 

目が回るような忙しさでしたが、スタッフに一体感が生まれて心地よく感じるくらいでした。
クリスマス当日、夜勤は店長と私の二人。

 

早朝の仕込みから頑張ってくれたスタッフは皆ヘトヘトで、閉店時間には解放してあげました。
私はいつものように床を掃き、店長は黙々とキッチンを片付けています。

 

有線でアメリカの古い曲が流れていました。
片付けはすっかり遅くなってしまい、帰りは送ってくれることに。

 

駐車場までの道、深く積もった雪を踏みしめながら必死に後をついていきます。
はじめてゆっくりお話しできるかと期待していたのに、ずんずんと先を歩く店長。

 

助手席にエスコートしてくれる時にようやく、遠慮がちに雪をはらってくれました。
自宅のすぐ手前、川辺に車を停めて小さな包みを渡してくれました。

 

私が好きなキャラクターのカードと、彼が好きなブランドのハンカチが入っていました。
忙しい時に助けてくれたから、お礼だと言われました。

 

私の持ち物を見てこのキャラクターを選んでくれたのかと感激しました。
カードの中身は自宅に帰ってから読んでほしいと言われ、しぶしぶ封筒に戻します。

 

ハンカチって、「好き」と「ありがとう」のどちらにも転べる気がしませんか。
謙虚な私は

 

「ありがとう」

 

のほうに受止めました。

 

美人の彼女さんに勝てるなんて、到底思えませんでしたから。
ベッドに入ってようやく、カードを開けてみました。

 

いつもお店のために頑張ってくれてありがとう。
今は誰よりも頼りにしています。

 

ちゃんと見ててくれたんだと思い、うれしくてたまりませんでした。
その後の高価なプレゼントよりも、一番心がこもっていたような気がします。

 

 

 

人に好かれる会話術【男女兼用】

 

 

入院していた女の子が復帰後も、私はシフトを減らすことなく頑張っていました。
閉店後はお店の飾り付けを一緒に考えたり、新商品の試作をしたり、二人でいると何をしても楽しかったのを覚えています。

 

私はちょっと浮かれていて、店長と結ばれるということが略奪愛になるなんて、まだ考えてもいませんでした。
私の誕生日、店長は閉店後のキッチンでスペシャルデザートを作って祝ってくれました。

 

たっぷりのチョコレートソースやホイップクリームで私たちの脳はアイスのようにとろけてしまい、次第に制御がきかなくなってしまいました。
ひとしきり騒いだ後はロッカーの影に隠れ、警備員さんに見つからないよう重なり合いました。

 

息を殺し、互いの体温を感じ合いました。
雪が解けるころ、休日にも一緒に出かけるようになりました。

 

二人でいると彼女さんのことは忘れて、もう何年も私と付き合っているような錯覚に陥ります。

 

我慢ができず、まだ付き合っているのかと尋ねてみました。
もう別れようと思っているが、時間がほしいと言います。

 

 

立ちはだかる壁

 

彼女のNさんは、心の病を抱えているとのことでした。
か細い声を思い出します。

 

男女の関係ではなくなり、ただ自分に依存していることが耐えられなくなったと彼は言います。
それでも、人間として今突き放すことは危険だと。

 

ずっと昔からの病気であれば、少なくとも私の事は関係がないはずです。
でも、今回のことで思い詰めて、もしものことがあったら。

 

考えると怖くなってしまい、それから眠れぬ夜が続きました。
彼は私の見えないところで、彼女の生活面などをサポートしていきました。

 

後に知ったのですが、彼女に合った仕事を探し、転居の準備もしたそうです。
エンジニアをされていたそうで、忙しさから心身ともに疲れ切ってしまったのでしょう。

 

支えてやれなかったと、彼はうつむきます。
私はそんな彼を支えてあげたいと思うのですが、同時に自分が泥棒猫のようにも感じられ、話を聞くほどに略奪愛であることを思い知らされるのです。

 

泣かれたりはしなかったそうですが、不安そうな目をしていたと言います。
私はやはり、彼を返したほうがよいのかも知れないと悩みました。

 

しかし私たちは既に、互いになくてはならない存在となっていました。
この問題がむしろ二人の絆を深めたほどに、話し合い、覚悟を決めました。

 

当然のように、両家からの反対がありました。
彼の両親はNさんを裏切ったことを責め、Nさんのご両親もまた心を痛め、私の父母(とくに父)は、初婚なのになぜそんな相手を選んだのかと悲壮感に満ちた表情で問い詰めてきます。

 

 

 

 

 

 

ついに結婚

 

私たちは毎日のように互いの実家を行き来して、打ち解けるよう努めていきました。
双方の家族と夕飯を共にするうち、徐々に会話も弾むようになり、ついにお許しが出ました。

 

お店の昼休み、うっかりと既婚者である先輩Sさんに指輪のサイズを聞いてしまいました。

 

「あなたたち、もうそんなところまで進んでたの?」

 

これで店中にひろがってしまい、完全に後には引けないことに。
私たちが略奪愛からの結婚であることも一緒に知られることとなります。

 

多くのスタッフはNさんの存在を知っていましたので、少なからず不快な思いをさせてしまったのは事実でしょう。
簡素でしたが結納のようなこともしてもらい、父もこの時には安堵の表情を浮かべていました。

 

人並みに披露宴も行い、ようやく私は憧れていた真っ白なウェディングドレスに袖を通しました。
お色直しには、薄紫のドレス。

 

正直なところ、あまり浮かれた色を選ぶ気分ではありませんでした。
いつまでもNさんのことは気がかりで、申し訳なさが消えることはないのです。

 

それでも大好きな人と結婚することを選んだのは自分です。
永遠の幸せを掴んだと信じていました。

 

ただ少し私は気負い過ぎてしまい、後々彼を追い詰めてしまうこととなります。
私たちはNさんを傷つけた責任を背負って生きていかなければならないと、余計な言葉を発してしまうことが多くなりました。

 

彼はだんだんと帰宅が遅くなり、言葉を交わすことも減っていきました。
もう少し、息抜きをさせてあげたほうが良かったのかも知れません。

 

その後の結婚生活がどうなったかは、これ以上は触れないでおきます。
もちろん彼と一緒になったことは、後悔はしていません。

 

生きている以上、失敗は付き物と思っています。
たとえ略奪愛であっても、そこにあった輝きは二人だけのもので、誰かに見せるためにあった訳ではないのです。

 

ご購読いただき、ありがとうございました。

 

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